用語集
『エージェントハーネスの基礎: ループと制御』の用語 66 件。レッスン本文で初出の箇所にホバーすると定義を確認できます。
| 用語 | 定義 | 出典 |
|---|---|---|
| ハーネス | モデルの周りにある制御コードの総称。ツールを実行し、ループを駆動し、いつ停止していつ人間を待つかを決める。モデルは次のアクションを提案するだけで、そのアクションが実行されるか、ループが続くかを裁定するのはハーネスである。 | How tool use works — Claude API |
| エージェント | ループの中で環境からのフィードバックに基づいてツールを使うLLM。モデルが自身のプロセスとツールの使い方を動的に指揮するシステムである。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| ワークフロー | LLMとツールが事前定義されたコードパスを通じてオーケストレーションされるシステム。何を先にやり、どの分岐を取るかはすべて人間が事前に決めている。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| ループ | モデルが提案 → ツールを実行 → 結果をモデルへ返す、という動きを繰り返すプロセス。1回のツール呼び出しの往復は、ループがたまたま1回転しかしなかった特殊ケースである。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 制御フローの決定 | 「次にどの道を取るか」の判断。ワークフローではハードコードされており、エージェントではモデルがループの中で動的に下す。これがエージェントとワークフローの境界線である。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| ループ制御 | モデル→ツール→モデルを駆動するwhileループ。stop_reasonを読んでこのターンの次にもう1ターンが続くのか、それとも停止なのかを決める。ハーネスの心臓部である。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| ツールディスパッチ | モデルが「このツールをこのパラメータで呼べ」と提案したあと、そのリクエストを本物の関数にルーティングし、実行し、出力をtool_resultに詰め直すコード。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| コンテキスト管理 | ループが生み出す履歴をどこに置き、どれだけ残し、どう圧縮または要約するかを決め、コンテキストが膨れ上がって注意の予算を使い果たすのを防ぐハーネスの構成要素。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| アクションを提案する | モデルが各ターンで行う唯一の仕事。現在の会話を見て「次に何をしたいか」の構造化されたリクエストを発行するが、それ自体は決して実行しない。 | How tool use works — Claude API |
| 承認弁 | 高インパクトなアクションが実際に実行される前に挿入される一時停止。「これからこれをやります」と提示し、人間のうなずきがあった場合にのみ実行し、is_errorをつけたtool_resultで拒否を返す。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| 往復 | 完全な1回のツール呼び出しサイクル: モデルがtool_useを返し、ホストがツールを実行し、tool_resultをパッケージし、会話に追記し、次のリクエストを送る。ループはこの往復を繰り返すだけである。 | How tool use works — Claude API |
| 環境からのフィードバック | ツール実行の結果をモデルへ入力として返すこと。モデルは このフィードバックに基づいて次のステップを決める。ループを前に押し進める燃料である。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 自律性 | エージェントが動的に次のステップとどのツールを使うかを自分で決める性質。有用さの源であり、同時により高いコストとエラーの累積増幅のリスクをもたらす。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| while | stop_reasonを条件にした繰り返し構造。stop_reasonがまだtool_useである間、もう1ラウンド回すことをコードとして表現したもの。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| 4つのステップ | 往復をループにつなぐ固定の手順: リクエストを送る → stop_reasonとtool_useブロックを読む → ツールを実行しtool_resultに詰める → 履歴に追記してもう一度送る。 | How tool use works — Claude API |
| stop_reason | モデルのレスポンス内のフィールドで、なぜ止まったかを示す。tool_useならモデルはツールを要求しておりループは続き、end_turnなら締めくくりでループは終わる。 | How tool use works — Claude API |
| tool_use | モデルがツール呼び出しをリクエストするために発行する内容ブロック。id / name / inputを持ち、モデルがツールを使いたいという意味であって、すでに使ったという意味ではない。 | How tool use works — Claude API |
| tool_result | ツール実行の出力をモデルへ返すための内容ブロック。tool_use_idで対応する呼び出しを名乗り、contentに出力を、失敗時にはis_errorを持つ。 | Handle tool calls — Claude API |
| end_turn | モデルがもうツールを要求せず話し終えたと考えているstop_reasonの値。ループは自然に終わり、最終的なテキストをユーザーへ返す。 | How tool use works — Claude API |
| tool_use_id | tool_resultがどのtool_use呼び出しへの答えかを名乗るフィールド。tool_useブロックのidと一致させることで、1ターンに複数ツールがあっても1対1対応を保つ。 | Handle tool calls — Claude API |
| is_error | tool_resultの任意フィールドで、ツール実行が失敗したときにtrueに設定し、モデルにこの呼び出しが成功しなかったことを伝え、別の引数で再試行または別の道を取らせる。 | Handle tool calls — Claude API |
| callModel | 骨組みループの擬似コードで「モデルへリクエストを送る」を表す呼び出し。実際の実装ではSDKのclient.messages.createに差し替わる。 | How tool use works — Claude API |
| executeTool | 骨組みループで「ホストが実際にツールを走らせる」を表す呼び出し。アクションが起きるのはこのステップであり、tool_useが届いた瞬間ではない。 | How tool use works — Claude API |
| 注意の予算 | モデルが大量のコンテキストを解析するときに引き出す有限のリソース。新しいトークンはそれぞれこの予算をいくらか消費し、トークンが増えるほど正確に想起する能力が低下する。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 停止条件 | モデルのend_turnとは独立してホストが強制するルール。たとえば最大反復回数の上限で、ループから逃げ道を確保し、制御を自分の側に保つ。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| MAX_TURNS | 最も基本的なハードストップの停止条件。ループが回ってよい最大回数の上限で、その印に達したら理由を問わず停止する。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| ハードストップ | 境界で無条件に停止し、ループをその場で終わらせる停止条件。何も自動的には続かず、終端状態である。MAX_TURNSも予算使い切りもこれに属する。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| ソフトストップ | 再開可能な一時停止。ループがチェックポイントで意図的に停止し、制御を人間に渡し、その人が答えたらまさにその地点から続けられる。終わりではない。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| カウンター | ループの外で保持される変数で、ラウンドをまたいで積み上がり、何周したかを記録する。MAX_TURNSゲートが判断できるようにする。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| チェックポイント | 連鎖の中で「ここが間違っていたら後続は全部無駄」という節目に設ける一時停止点。中間状態を検証に差し出させ、人間のフィードバックを待つ。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| needsHumanApproval | ソフトストップの例にある述語で、「次のアクションは人の承認が先に必要か」を判断する。一致すればループは停止し、人間の応答を待つ現場を引き渡す。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| タスクが完了した | 4つの停止条件の中で最もソフトなもの。モデルが終わったと判断しend_turnを返す。決定権はモデルにあるが、本当に完了したのか途中で諦めたのかは確認が必要。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| スナップショット | ソフトストップの一時停止で引き渡す再開可能な状態。現在のmessagesと保留中のアクションを一緒にパッケージし、人が対処後その場から続けられるようにする。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 過剰設計 | 複雑さが結果を明確に改善しないのに仕組みを積み上げること。ただし停止条件のような低コスト・高リターンの制御はこのカテゴリではなく、必要な安全ネットである。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| エラーの累積増幅 | 1つの誤ったステップの後、すべての後続ターンがその誤りの上に続き、バイアスを増幅していくこと。例外は投げられず、各ステップは妥当に見えるが、連鎖の中でエラーが複利式に膨らむ。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| コンテキストの肥大化 | ループが1周するたびに履歴に2つのメッセージが追加のみで積み上がり、減ることはない。各リクエストはどんどん長いコンテキストを引きずり、遅く高価になる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| コンテキスト腐敗 | コンテキストが長くなるにつれ、重要な情報がノイズに沈み、モデルは見えていても掴めなくなる。想起は長さに応じて緩やかな勾配で劣化し、崖ではない。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| デッドループ | ホストコードの誤り(ループ本体末尾でresponseの再代入を忘れるなど)によってstop_reasonが古い値のまま凍りつき、while条件が永遠に真でプロセスがハングする機構上の故障。 | How tool use works — Claude API |
| 空回り | コードは完全に正しく、ループは正当に毎ターンリクエストを送りツールを実行しているのに、新しい進捗が何一つない。同じツールを同じ引数で繰り返し、ほぼ同じ空の結果を受け取り続ける。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 無進捗検知 | 空回り専用のゲート。何か新しいことが実際に起きているかをホスト自身が見張り、Nターン連続で同じツールが同じ出力を返したら「進捗なし」と判定して脱出する。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 予算上限 | ループに設ける明示的なコストの天井。ターン数またはトークン(金額)で測り、天井に達したら停止して正直に報告する。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 予算バーンアウト | ターン数 × 各ターンのコンテキストの掛け算でコストが制御不能に上昇すること。詰まった空回りエージェントは一晩で相当なAPI費用を燃やし、何も完成させない。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| コンテキストガバナンス | ループが生み出す履歴を闇雲にpushせず能動的に管理すること。古いターンの圧縮、初期結果の要約、無用な中間成果物の破棄で、1ターンあたりのコストにブレーキをかける。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 早期停止 | すでに脱線したループを満額のターンまで燃やさず、何かがおかしいと見えた瞬間に止めること。チェックポイントと連携し、エラーがまだ小さいうちに断ち切る。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 限界収穫が逓減する | コンテキストが有限のリソースとして持つ性質。追加の履歴の塊がもたらす価値は次第に減る。各塊は「まだ元が取れるか」を正当化すべきである。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 過剰なエージェンシー | LLMの誤動作の原因が何であれ、予期しない・曖昧な・操作された出力に反応して有害なアクションが実行されてしまう脆弱性。ループが持つ権限と自律性が大きいほど損害は大きい。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| 中断 | 3つの介入の中で最も身も蓋もないもの。モデルが今ターンで何をしたがっていようとループ全体を終了し、これ以上リクエストは出ない。その後はない。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 操舵 | 会話に人間の新しいメッセージを押し込み、モデルが次に傾ける先を変え、ループはその指示を持ってそのまま走り続ける。方向を変えるが、ループの生存は変えない。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| 承認 | 特定の1つの高インパクトなアクションへの介入。ループがそれに達すると停止し、「これからこれをやります」と提示し、人がイエスと言った場合のみ実行する。承認後、ループは通常のリズムに戻る。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| ヒューマン・イン・ザ・ループ | 取り返しのつかないアクションが着地する前に、いくつかの重要なポイントで人間が「待て」と言える制御。事後のログではなく、実行前の阻止である。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| 人間のゲート | ハーネスの自動ゲートを超えた手動チェックポイント。「やって取り戻せない」少数の地点を守り、自動化の信頼が人間のライブ判断を必要とする場所である。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| 不可逆 | 1手で元に戻せない、または莫大なコストでしか戻せないアクション。データベース削除、送金、外部への公開、本番設定変更など。承認ゲートはこれらの前に来なければならない。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| 影響範囲 | 操作が間違ったときのインパクトの範囲と不可逆性の尺度。影響範囲が大きいほど、確認点は早い位置に必要である。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| 反実仮想のテスト | 不可逆性を判断する自己チェック。このアクションが実行されて間違っていたら、1手で低コストで元に戻せるか。戻せないなら、ゲートは早い位置に必要である。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| askHuman | 承認弁の中の呼び出しで、人からリリース決定をリクエストする。ターミナルでは「保留中のアクションを表示し、入力を1行読む」という意味。executeToolの前に完了しなければならない。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| @anthropic-ai/sdk | 公式のNode SDK。骨組み擬似コードのcallModelを本物のclient.messages.createに差し替え、同じstop_reasonループを駆動するのに使う。 | How tool use works — Claude API |
| client.messages.create | model / max_tokens / tools / messagesを取ってモデルリクエストを送るSDKメソッド。ループ内のcallModelの現実世界での置き換えである。 | How tool use works — Claude API |
| runToolUses | このターンのtool_useブロックを取り、それぞれを実際に実行し、各々をtool_resultにパッケージする関数。承認弁とtry/catchの両方がこの中に住む。 | Handle tool calls — Claude API |
| runAgent | ハーネスループ全体を運ぶエントリ関数。messages、4つの制御弁、リクエスト送信、ツール実行を配線し、stop_reasonがもうtool_useでなくなるまで回る。 | How tool use works — Claude API |
| signatureOf | 無進捗検知のシグネチャ関数。このターンのtool_use名とパラメータを1つの文字列に連結し、前ターンと比較して空回りを検出する。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| response.usage | モデルレスポンス内のフィールドで、このターンが消費したトークン(input_tokens + output_tokens)を報告する。トークンで数える予算上限の基礎である。 | Building Effective AI Agents — Anthropic Engineering |
| input_schema | ツール定義内のJSONスキーマで、入力構造を記述する。モデルはこれに一致するtool_use inputを構築し、パラメータをツール要件に適合させる。 | Handle tool calls — Claude API |
| try/catch | ツール実行の周りのエラー耐性ラッパー。投げたときハーネスをクラッシュさせず、エラーをis_errorのtool_resultにパッケージして返し、モデルにリトライまたはピボットの機会を与える。 | Handle tool calls — Claude API |
| 制御弁 | ループに溶接された制御メカニズムの総称で、各々が1つの場所を守る。最大ターン数、予算上限、無進捗検知、高インパクトアクション承認。位置は任意ではない。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| ポリシー弁 | 承認弁の一般化。ツール名ごとにallow(そのまま通す)、ask(実行前に確認)、deny(常に拒否)の3層にルーティングし、executeToolの前に評価する。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |
| HIGH_IMPACT | 外部から見える不可逆な結果を生むアクション(write_file、http_post、delete_file)。これらだけに承認ゲートを置き、無害な読み取りとクエリはそのまま通す。 | LLM06:2025 Excessive Agency — OWASP Gen AI Security Project |