用語集
『コンテキストエンジニアリング: 有限のアテンションを効くところに使う』の用語 70 件。レッスン本文で初出の箇所にホバーすると定義を確認できます。
| 用語 | 定義 | 出典 |
|---|---|---|
| プロンプトエンジニアリング | 最適な結果を得るためにLLMへの指示を書き、構成する手法。焦点は指示そのものの書き方と並べ方にある。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| コンテキストエンジニアリング | LLMの推論中に、最適なトークン(情報)の集合を選び、維持するための戦略の集合。ループが1周するたびに答え直さなければならないトレードオフ。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| アテンションバジェット | LLMが大量のコンテキストを解析するときに引き出す有限の予算。新しく入るトークンはすべてこれをいくらか消費する。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| コンテキストロット | コンテキストウィンドウのトークン数が増えるほど、そのコンテキストから情報を正確に想起するモデルの能力が下がっていく現象。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 性能の傾斜 | コンテキストロットが描く曲線の形。あるトークン数を超えた途端に動かなくなる硬い崖ではなく、トークンが増えるにつれてなだらかに下っていく坂。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 限界収穫が逓減する | コンテキストを有限の資源として扱うときの性質。1000番目のトークンと10万番目のトークンは占める場所が同じでも、上乗せする価値はまるで違う。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| ハーネス | エージェントのループを載せているエンジニアリングの外殻全体。同じモデルでもハーネスが違えば結果はまったく違う。 | The 2026 Agent Engineering Roadmap — GitHub (codejunkie99/agent-roadmap-2026) |
| 自然な発展 | コンテキストエンジニアリングを、プロンプトエンジニアリングの置き換えではなく進化として位置づけるAnthropicの言い回し。よいシステムプロンプトを書くことは依然として必要で、管理すべき多くのコンテキスト要素の1つになる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 長時間タスク | 複数の推論ターンと長い時間軸にわたって走るエージェントのタスク。コンパクション、構造化ノート、マルチエージェントアーキテクチャがまとめて向き合う場面。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 高度 | システムプロンプトが位置する抽象度。一方の端は脆いロジックがハードコードされるほど具体的で、もう一方の端は振る舞いのシグナルを何も運ばないほど曖昧。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 低く飛びすぎ | システムプロンプトの失敗モードの1つ。「ユーザーがXと言ったらYをする」という形のルールでロジックをプロンプトにハードコードし、書き漏らしたケースがすべて受け皿の分岐に落ちる状態。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 高く浮かびすぎ | システムプロンプトのもう一方の失敗モード。曖昧なスローガンだけを与えるためモデルに具体的なシグナルが1つも届かず、振る舞いが予測不能に漂う状態。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 正しい高度 | 推奨されるシステムプロンプトの形。振る舞いを効果的に導けるだけ具体的でありながら、モデルに強いヒューリスティクスを与えられるだけ柔軟な位置。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 判断の原則 | 正しい高度のシステムプロンプトの第1層。列挙されなかった言い回しにも一般化が効くよう、少数の転用可能な判断基準として書かれる部分。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 厳守事項 | 正しい高度のシステムプロンプトの第2層。判断の原則が一般化を担うのに対し、交渉の余地のないコンプライアンスの境界をひと握りだけ釘付けにする部分。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| CLAUDE.md | Claude Codeがすべての会話の冒頭で読むプロジェクトレベルの設定ファイル。広く当てはまり毎セッションで必要になる内容だけを置くべき、常時ロードされる層。 | Best practices for Claude Code — Claude Code Docs |
| 削除テスト | 常時ロードされるファイルの内容を1行ずつ監査する方法。「これを消したらミスが起きるか?」と問い、答えがNoならその行を削る。 | Best practices for Claude Code — Claude Code Docs |
| スキル | Claude Codeにおいて、CLAUDE.mdのように常駐させるのではなくオンデマンドでロードされる、パッケージ化された専門能力。すべての会話を肥大させないための仕組み。 | Best practices for Claude Code — Claude Code Docs |
| 機能の重なり | ツール設計で最小限にすべき対象。複数のツールの職掌の境界がぼやけ、どちらでも同じ仕事ができてしまう領域。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| トークン効率 | ツールの戻り値に課す設計基準。デフォルトでは主要なフィールドだけを返し、低価値な情報を大量にメッセージ履歴へ注ぎ込まないこと。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 定番の例 | few-shotの例を選ぶ基準。1つの例が孤立した特定の状況ではなく、期待される振る舞いのクラス全体を代表していること。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| エッジケースの羅列 | 本番でバッドケースが出るたびに例やルールを1行ずつ足し、やがて長く退屈なカタログに育っていくアンチパターン。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| プリロード | 推論が始まる前に、必要になりうる素材をすべて初期コンテキストに入れておく戦略。モデルはターン1でそのすべてを見られ、取得は要らない。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| ジャストインタイム取得 | 初期コンテキストには軽量な識別子だけを保ち、実行時に必要に応じてエージェントがツール経由で中身をロードする戦略。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 軽量な識別子 | 内容そのものではなく内容を指すポインタ。ファイルパス、保存済みクエリ、ウェブリンクなどで、エージェントは実行時に必要な分だけ中身へ展開する。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| メタデータ | ファイル名、ディレクトリ構造、タイムスタンプなど、識別子に付随する情報。中身を開かなくても、それが何のためのもので、どれくらい関連しそうかを知らせる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 段階的に発見 | エージェントが識別子と取得ツールを頼りに、探索を通じて本当に関連するコンテンツへ少しずつ近づいていくやり方。すべてが最初から目の前に並んでいるのではない。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| ハイブリッド戦略 | 速度のために一部のデータをプリロードし、残りは識別子として残して実行時にモデルの裁量で探索させる組み合わせ。実システムでの通常形。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| トレードオフのフレームワーク | 候補となる素材ごとにプリロードかジャストインタイム取得かを決める実務的な方法。「安定しているか」「毎ターン使われるか」を順に問う。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| list_files | 本コースの取得ツールの例。リポジトリのディレクトリ直下にあるファイルとサブディレクトリを一覧し、ジャストインタイム取得の第一歩として範囲を絞る。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| grep | 本コースの取得ツールの例。ディレクトリ配下のテキストを再帰的に検索し、一致した行を行数の上限つきで返してトークン消費を抑える。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| read_file | 本コースの取得ツールの例。単一ファイルの内容を読み、list_filesかgrepでそのファイルが関連すると確認できた後にのみ使うと定められている。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| The essence of search is compression | 検索という過程についてのAnthropicの要約。広大なコーパスから洞察を蒸留すること。ジャストインタイム取得のどのステップもこの圧縮を実行している。 | How we built our multi-agent research system — Anthropic Engineering |
| REPO_ROOT | 本コースのサンプルコードでリポジトリのルートパスを指定する定数。3つの取得ツールのファイル操作はすべてこれを基準に実際のパスを組み立てる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| コンパクション | 会話がウィンドウの上限に近づいたとき、メッセージ履歴をモデルに渡して要約させ、その要約から新しいコンテキストウィンドウを再初期化する操作。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 再初期化 | コンパクションの核心となる動作。サマリーを携えてまったく新しいコンテキストウィンドウを開き、古いメッセージ履歴は丸ごと捨てる。元の会話に積み増し続けるのではない。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 引き継ぎサマリー | コンパクションのときに生成され、新しいウィンドウが起動時に読むテキスト。アーキテクチャ上の決定、未解決の問題、重要な実装詳細を残し、エージェントが作業を続けられるようにする。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| COMPACT_INSTRUCTION | 本コースのサンプルコードで、コンパクション時の要約指示を定義する定数。アーキテクチャ上の決定、未解決の問題、重要な実装詳細を残し、冗長なツール出力を捨てるよう明示的に求める。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| compact() | 本コースのサンプルコードでコンパクションを実装する関数。メッセージ履歴と要約指示をモデルに送り、返ってきたサマリーだけを含む新しい配列でmessagesを丸ごと差し替える。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 構造化ノート | 決定を下した瞬間や問題を見つけた瞬間に、エージェントが重要な状態をコンテキストウィンドウの外の永続的な場所へ能動的に書き出す方式。受動的で事後的なコンパクションを補う。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| NOTES.md | 本コースの例でエージェントが維持する構造化ノートのファイル。確定した決定事項、未解決の問題、次のステップを記録し、会話履歴とは独立してファイルシステムに存在する。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| タスクリスト | Claude Codeが維持するto-doリストのような仕組み。カスタムエージェントがNOTES.mdを維持するのと同じく、重要な状態をウィンドウの外に置く構造化ノートの実践に属する。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| /clear | 無関係な新しいタスクへ切り替えるとき、コンテキストを丸ごとリセットするClaude Codeのコマンド。要約もせず、保存もしない。 | Best practices for Claude Code — Claude Code Docs |
| 自動コンパクション | Claude Codeが製品として実装したコンパクション。会話がコンテキストの上限に近づくと自動的に発動し、重要なコードと決定を残しながら空きを取り戻す。 | Best practices for Claude Code — Claude Code Docs |
| Claude playing Pokémon | 記憶の仕組みがコーディング以外の領域でもエージェントの能力を変えることを示すためにAnthropicが挙げる事例。構造化ノートはコーディングタスク専用ではない。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 3手 | 長時間タスクに向けたコンテキスト管理の3種類の技術。コンパクション、構造化ノート、マルチエージェントアーキテクチャで、一連の行動を通じて一貫性と目標志向の振る舞いを保つことを狙う。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| サブエージェント | きれいなコンテキストウィンドウで焦点を絞ったタスクを処理し、圧縮したサマリーだけをメインエージェントに返す仕組み。分業だけでなく、コンテキストの分離それ自体に価値がある。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| きれいなウィンドウ | サブエージェントが起動時に使うまっさらなコンテキストウィンドウ。メインエージェントの履歴を一言も運ばず、アテンション予算を焦点を絞ったタスクにまるごと向けられる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 知的フィルター | サブエージェントの役割についてのAnthropicの比喩。メインエージェントに代わって探索の過程から最も重要なトークンを凝縮する。入るのはコーパス、出るのは要点。 | How we built our multi-agent research system — Anthropic Engineering |
| 過程と結論の比率 | そのタスクをサブエージェントに渡す価値があるかを判断する物差しの1つ。中間コンテンツの量と最終的な結論の量の比で、偏っているほど分離の見返りが大きい。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| runSubagent | 本コースのサンプルコードでサブエージェントのループを起動する関数。分離されたタスク記述だけをまっさらなメッセージ配列として開き、モデルの最終的なテキストの結論だけを返す。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| dispatch_research | 本コースの例でメインエージェント側に置かれるツール。リサーチタスクをサブエージェントに渡し、stop_reasonのループに接続したうえでサブエージェントのサマリーを結果として返す。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| SUBAGENT_SYSTEM | 本コースのサンプルコードで、サブエージェント専用のシステムプロンプトを定義する定数。1500トークン以内の結論を出力し、読んだ生のテキストを繰り返さないよう求める。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| ハンドオフ | 長いタスクで、前任のサブエージェントの作業をきれいなウィンドウの新しいサブエージェントが引き継ぐときに、要点を渡して連続性を保つ動作。 | How we built our multi-agent research system — Anthropic Engineering |
| マルチエージェントアーキテクチャ | 探索の作業を独立したサブエージェントに渡し、圧縮されたサマリーだけを回収するアーキテクチャのパターン。長時間タスクの3手の1つ。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 4× 多いトークン | Anthropicが自社のマルチエージェントリサーチシステムで測った値。エージェント1体はチャットのやり取りより、おおよそ4倍のトークンを使う。そのシステムでの実測であって普遍的な法則ではない。 | How we built our multi-agent research system — Anthropic Engineering |
| 15× 多いトークン | 同じくAnthropicのマルチエージェントリサーチシステムでの実測値。マルチエージェントシステム全体はチャットより、おおよそ15倍のトークンを使う。これもそのシステムでの実測にすぎない。 | How we built our multi-agent research system — Anthropic Engineering |
| 分散の 80% を説明 | 同じマルチエージェントリサーチシステムの分析結果。トークン使用量それ自体が、そのシステムのパフォーマンスの分散の80%を説明する。分離が見合うかを判断するうえでの重要な参照データ。 | How we built our multi-agent research system — Anthropic Engineering |
| CONTEXT_WINDOW | 本コースのサンプルコードで、コンテキストウィンドウの容量の上限を表す定数。実際に使うモデルに合わせて、自分のエンジニアリング判断で定める。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| COMPACT_RATIO | 本コースのサンプルコードで、コンパクションの発動閾値の比率を定義する定数。使用量がウィンドウ容量にこの比率を掛けた値を超えるとコンパクションが発動する。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| shouldCompact | 本コースのサンプルコードの判定関数。現在の累積トークン使用量がコンパクションの閾値に達したか超えたかを確認し、発動するかどうかを決める。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| tokensUsed | 本コースのサンプルコードで、現在のウィンドウの累積トークン使用量を追うカウンター変数。コンパクションが発動して完了したあとは必ずゼロに戻し、「これまでの総使用量」ではなく「現在のウィンドウがどれだけ使ったか」を表す。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| trackUsage | 本コースのサンプルコードのユーティリティ関数。モデルの応答ごとにinput_tokensとoutput_tokensをtokensUsedのアキュムレーターへ足し込む。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| update_notes | 本コースのサンプルコードで、エージェントがNOTES.mdへ書き込むためのツール。1回の書き込みは保存したい完全な内容の丸ごとの上書きで、差分のマージは要らない。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| runAgent | 本コースのサンプルコードの主関数。使用量の追跡、閾値でのコンパクション発動、ノートの読み書きを同じループにまとめ、1つのウィンドウの容量を超えるタスクを走らせる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| コンパクションの嵐 | コンパクションのあとにtokensUsedをゼロへ戻し忘れた結果、以降ほぼ毎ターン誤ってコンパクションが発動し、タスクが要約と再起動を繰り返してその場で回り続けるバグの姿。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| 閾値でのコンパクション発動 | コンパクションをループ本体に配線する仕組み。使用量の累積が設定した比率の線に達したら、ウィンドウが実際に破裂するのを待たずに自発的にコンパクションして作業を続ける。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| readNotes | 本コースのサンプルコードの関数。NOTES.mdから現在のノートの内容を読み、読み取りに失敗したとき(ファイルがまだ存在しないとき)はプレースホルダーのテキストを返す。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| writeNotes | 本コースのサンプルコードの関数。渡された完全なノートの内容をNOTES.mdファイルへ書き込み、update_notesツールが呼ばれたときに使われる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |
| コンパクション呼び出し | コンパクションのときに引き継ぎサマリーを生成するために撃たれる追加のモデル呼び出し。この応答はメインループに入らず、その出力がそのままmessagesの再起動に使われる。 | Effective context engineering for AI agents — Anthropic Engineering |